第37章 最終章〜あなたが与えてくれたもの〜
南の島で信長にプロポーズをされた私は、彼に身も心も愛された余韻に浸りながら、日本へと戻ってきた。
「………あれ?」
彼に手を引かれて降り立った空港は、行きとは違う空港で…
「ここ、どこ?」
見覚えのあるような初めてのような景色…
「このまま貴様の実家に行く」
「ええっ!」
(そうだっ!ここ、私の地元のローカル空港だっ!)
ここから飛行機に乗ったことがなくて(いつ飛んでいるのかも分からない)外から飛行機を見に来たことがあるくらいだから分からなかった。
「実家って…今から?」
お母さん達ビックリするんじゃ…!
「心配するな、連絡は入れてある」
「えぇっ!いつの間にっ!」
「貴様が、俺の腕の中で眠ってる間に決まってる」
「っ………!」
休暇中の、愛されすぎたシーンが走馬灯のようにグルグルと回る。
「あまりそんな顔をするな。今すぐ飛行機に連れ込んで襲いたくなる」
彼はフッと、耳に息を吹きかけると、カリッと私の耳を噛んだ。
「んっ……!」
ゾクっと肌は敏感に反応する。
彼と過ごした休暇中に、体は以前にも増して信長のちょっとした仕草で反応するように作り替えられたみたいで…
「ふっ、そんな蕩けた顔で貴様の親に会うつもりか?」
「っ、信長が変なことするから…」
「可愛いすぎる貴様が悪い」
「もう……っん………」
楽しそうに私に口づける信長は、この後私の実家へと行って、私との結婚を許可してほしいと、私の両親へ挨拶をしてくれた。
「きゃあっ!」と大興奮のお母さんと、少し寂しそうなお父さんは、そんな日がそう遠くない未来に来ると覚悟を決めていたらしく、「娘を宜しくお願いします」と快諾。
その日はそのまま私の実家で一泊をして、信長は両親との交流を深めてくれた。(お父さんは終始淋しそうだったけど…)