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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第36章 休暇



「いや、持ってない」

彼からは意外なほどあっさりとNoが返ってきた。


「そうなんだ。ここも来た時は信長本人の別荘だと思ったんだけど、意外だね」

「そうか?世界は広い。一つどころに的を絞る事などしたくは無いからな」

「なるほど…」
(考え方がワールドワイドだなぁ)


「あっ!だから飛行機が必要だったんだね」

いつでも好きな時に移動できるように…


「そうだな。民間の飛行機と自分の飛行機では乗る際の手間が省けて無駄な時間が少なくなる。まぁ、維持には手間暇がかかるがそれを補っても今の俺には余りある」


海の方を見て話す信長の横顔に見惚れてしまう。



「でも、大きなお土産って言うから何かと思ってたけど...全然想像と違ってた。大きなテディベアとかクリスマスに向けてモミの木かなとか思ってたから…飛行機なんて、スゴすぎてビックリ以上だよ」

本当に、あの飛行機には驚いたな…


「だがあれのおかげで貴様の元へ予定よりも早く戻ることができた」


「うん。そうだね。あの日、すぐに戻ってきてくれてありがとう」

どんな時でも私の事を一番に考えてくれてありがとう。

隣り合って座る信長の肩に頭を乗せ、幸せの余韻に浸った。


「セナ、貴様にはまだ土産がある」

「お土産?」

「ああ、土産と言うよりは渡したい物がある」

私の髪をひと撫でした信長は、履いているデニムのポケットに手を入れて何かを取り出した。


「?」

預けていた頭を上げて彼の行動を見つめていると、キラリと光る物が目の前に差し出された。


「これを受け取れ」


「………………え?」


「左手を出せ」


「……う、うん」


この時の私は、あまり信長の言葉の意味を理解していなくて….

左手を取られ薬指にはめられていく指輪を、(わぁ〜サイズぴったり)なんて考えながら、ただじーーーっと見つめていた。




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