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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第36章 休暇



「何だそれは…?貴様は独り言まで可愛い」


「へっ?……あっ、信長っ!」
(みっ、見られてたっ!?そして聞かれてたっ!?)

いつの間にか部屋のドアを開け立っていた信長は、ククッと声を上げて笑うと、ベッドへと来て私の横に腰掛けた。


「起きれるか?」

「うん」

信長は真っ赤になって照れる私に構わずドレッサーに手を伸ばして私の服を取り渡してくれる。


「あ、ありがとう」

「部屋の中にシャワーもある。着替えたらリビングへ来い」

髪に軽くキスをして彼は部屋から出て行った。


旅行中の信長は、いつも以上に優しくて、私は甘やかされっぱなしだ。

「あ、でも、水分くらいは自分の口で飲みたいかなぁ」

飲ませてやる、とか言って口移しで飲まされる水分は、ドキドキしすぎて飲んだ気がしない。(反対に余計渇く気が…)


シャワーを浴びて彼の選んでくれた服に身を包めば、それはそれで彼に抱きしめられているような気持ちになって、どんどん信長色に染められていく幸せに満たされる。

数日前までは不安でどん底にいた事なんてとっくに吹っ飛んでいて、今は全てが温かくて心地よい。







「お待たせしました」


髪を乾かしリビングへ行くと、信長が作ってくれたご飯が並んでいる。


「わぁっ、美味しそうっ!」

幸せに包まれていればお腹なんて空かないと思ったけど、美味しそうなミールを目の前にしたらグゥーとお腹は正直に空腹を訴えた。

「わゎっ!今の聞こえた?」

慌ててお腹を押さえながら信長を見れば…

「貴様のことで、この俺が聞き漏らすものなど何もない」

ククッと笑いながらきっぱりと言い切られた。


「そ、そうですか…」

恥ずかしいのにキュンとしてしまう。彼といると本当に心が騒がしい。


「そっちに座れ、食べるぞ」

「うん」

席に座って向かい合わせにいるのは大好きな人。

「「いただきます」」

手を合わせてご飯を2人で頂くのはもう数えきれないほどだけど、いつも楽しくて幸せで笑いがつきない。


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