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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第1章 ネットニュースの人



「っく、ふっうぅーー、 」


「セナ、大丈夫?」


ベッドの横のパイプ椅子に座っていた母が立ち上がり背中をさすってくれる。


「やっぱり、悔しい..........」




{on your marks}


無情にも、テレビからはスタートの合図が聞こえてきた。


慌てて涙を拭って画面を見つめた。



{set}



パーン!!!



画面の中の選手達が一斉にスタートを切った。



決勝に相応しく、みんな綺麗なフォームに乱れのない走り.........



「あぁ、きれい.........」



本来なら、私はこの戦いを現地で、トラック上で見ていたはずなのに........
間違っても、病院のベッドの上で、画面を通して見ることはなかったはずだ。



僅か12秒にも満たない闘い。



けれど私はこの12秒の闘いに6年と言う時を捧げてきた。



手を上げて、勝者がテープを胸できる。


その瞬間、私の陸上人生は幕を閉じた。




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