第36章 休暇
「嬉しくて…抑えられない」
ずっと、信長に触れてほしいって、突然私の前に現れてくれたあの日からずっとそればかりを思ってたから…
「信長がどこを触れても幸せで、我慢できない…」
「……っ」
信長の動きが止まって、固まった様に私を見つめる。
(あ、引かれた?)
大胆なことを言ってしまった自覚はある。付き合い始めたばかりの頃の自分だったら絶対にこんな事は言ってない。
「信長……?」
欲しがりすぎたかもと不安になり手を伸ばすと、その手を掴まれた。
チュッと、信長は私の指に口づける。
「あまり煽るな。すぐ泣く事になるぞ」
「っ、泣くのは…幸せだからだもん。それに、信長になら何をされてもいい…よ?」
信長に本気で抱かれるという意味もちゃんと分かってるから、怯む気持ちがない訳じゃないけど、それ以上にずっと触れられていたい気持ちが勝ってしまう。
「っ、阿呆、あまり試すな。俺の我慢も限界に近い」
信長は苦笑いをすると頭を私の足の間に埋めて敏感な所に触れた。
「あっ、っんん!」
「久しぶりだからな、少し慣らさないと貴様がつらい」
「ふぁっ、あ…」
信長の指が、舌が、私の中を濡らし開いていく。
「っ、信長……ぁ」
信長の言うとおり、何週間も受け入れていない体で彼を受け入れるのはキツくて苦しい…と思う。
けど、
「っ指じゃ、やだ」
彼の髪に触れて、私は彼の動きを止めた。
「セナ?」
顔を上げて私を見た信長の顔は訝しげだ。
「……も、大丈夫だから…」
「……ふっ、何がだ?」
私の気持ちに気づいたらしい信長は、意地悪く笑いながら質問返しをする。
「っ、だから、それ…もうしてくれなくていい」
口に出すには恥ずかしいワードが多すぎて言えない。
「無茶を言うな。これではまだ不十分だ」
「やっ、待って」
私から視線を離して再び顔を埋めようとする信長の頭をストップした。