第36章 休暇
「この建屋はバストイレに至るまで全てがオーシャンビューになるよう、海側に面して建てられてる」
「そうなんだ。素敵だね」
全室オーシャンビューなんて本当に素敵だけど、ベッドを見た途端そんな余裕は吹き飛んでいたから、かろうじてそう答えた。
トサッと、信長は私を静かにベッドの上へと下ろし横たわらせる。
ドキドキと胸は最高潮に高まってる。
「セナ」
「っ、」
熱い視線に捕らえられ、恥ずかしくて目を閉じるとそれが合図の様に唇が重なった。
「ん………っん、」
何度か私の唇を啄ばみ、薄く開いた私の口内に彼の舌が侵入する。
彼の舌に導かれる様に自分の舌を重ねれば、彼は私の舌を食み甘い刺激を与える。
「んっ、……はっ、………ぁ、…んっ、…ん」
私の舌を押し込み口内をくすぐる彼の舌は、角度を変える度に深くなり私の呼吸を奪っていく。
「っ、………ん……はぁ、」
唇を離れた彼の唇は私の頬を滑りながら耳へと移動しキスをする。
ちゅっ、ちゅっと、音を立てて、首、胸元とどんどんキスを落としていく。
「ん、…」
与えられる熱に蕩けている間に衣服はどんどん取っ払われ、残すはショーツだけ。
ギシッと、大きく軋む音が聞こえると同時に覆い被さっていた彼の体が離れた。
ふわふわした気持ちのなか目を開けて見れば、信長が体を起こしてシャツを脱ぎ、上半身を曝け出した。
「………っ!」
その放たれる色気に身体中の血が沸騰しそうで…慌てて目を逸らせば窓の外に広がる海が目に入った。
(……あ、海きれい)
「ふっ、どうやら見れたようだな」
私のよそ見に気がついた信長は再び私に被さっていたずらな笑顔を見せた。
「うん。海..きれいだね……んっ!」
感想を述べる間にも、彼は私の脚を持って口づける。
「っ、…ぁっ、」
ツーっと私の太ももの内側に舌先を滑らせ際どいところまで降りていくと、チュウっと強く吸われた。
「ん…っ」
(触れられるところからどんどん溶けていくみたい…)
「あっ、ん…んっ、……ぁっ、…あっ、」
「ククッ、その声…まだ脚を触ってるだけだ」
「っ、だって…」
指摘された通り、自分でも感じすぎだとは思うけど…