第35章 収束
「言い訳は聞かん、それに言っただろう?貴様を今抱けば3日は治りそうもないと…」
(た、確かに言ってたけど…)
やっと触れ合えるんだと言う淡い期待と、3日と言う信じられないけどあながち冗談でもなさそうな言葉に尻込みしてしまう気持ちとが交差し、心臓が複雑に鼓動を鳴らす。
「それに貴様は、俺の仕置きを受けねばならん」
「なっ、なんでっ!?」
(3日も抱かれて更に仕置きは無理無理無理っ!!)
「貴様が一番分かってるはずだ」
信長は愉しそうに私に顔を近づける。
「分かんないっ!全っ然分かんない」
「なら教えてやろう。貴様は俺に嘘をついてあの雑誌の写真を切り取った。違うか?」
「なっ、なんでそれを!」
「ふんっ、貴様の考えなど手に取るようにわかる」
何でバレたのかは分からないけど、でも渡さないとお仕置き確定はかなりヤバいと知っている私は直ぐにその事を認めた。
「渡しますっ、今すぐ信長に渡すから」
綺麗に切り取ってラミネート加工してお財布に入れてあった切り抜き写真を取り出して信長に渡した。
(念のためスマホで撮っておいてよかった)
「……やけに素直だな?」
「…えっ?」
「スマホを貸せ」
「っ、やだっ!」
「寝られん上に、羞恥で染まる3日間を過ごしたいって事だな?」
「そっ、そんな脅しには乗らないもん」
(信長は、最後の最後は私の嫌がることはしないって知ってるもん!)
取られないように、スマホの入ったバッグを自分の後ろに隠した。
「……ほぅ、貴様も中々に学習したようだな」
信長は心底楽しそうに私との距離を詰めてくる。
(これだけは絶対に渡さないんだから!)
後ろに隠し持ったバッグを握る手に力がこもる。
「セナ」
信長の手がスッと伸びて来て、私の体にもキュッと力が入った。
(取られちゃう!)
てっきり、強引にバッグを奪っていくと思ったのに、彼は私のバッグではなく横髪をサラッとすいて頭を掴んだ。
「えっ…?」
驚いて見上げた時にはすでに遅くて…
「んんっ……!」
唇を奪われた。