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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第35章 収束



「昨日俺と連絡が取れなかったのはそう言う事だ。予定を変更して市とベルを迎えに行っていた」

「そうだったんだ……」

私はただ不安で何もできなかったのに、それどころか、何の連絡もないことにも不安を感じてたのに、信長はこんなにも頑張ってくれてたなんて…

「私のためにありがとう。…市も、ありがとう。ベルもありがとう」

「それだけじゃない。市にはこれから俺と一緒に記者会見に出てもらう」

「えっ!?」

本当に何も知らなすぎて、信長の一言一言に大きく反応してしまう。


「間も無く記者達がここに集まってくる。そこで俺たち兄妹から今回の騒動の説明と貴様への謝罪会見をして騒ぎを収める」

「っ、そんな事してくれなくても私は大丈夫だよ?きっと今までみたいに時が経てば収まると思うし…」

「いや、今回の件は早々に収めなければ奴はまた貴様のことを嗅ぎ回って次の手を打って騒ぎ立てる」


「私は何を言われても平気だよ。それよりも、信長と市が咎められる方がやだよ」


「セナ 、俺たち兄妹はこう言ったことには慣れてる」

「そうよ、ゴシップ誌を賑わせてる回数なら、兄さんに負けてはないわ。私のは海外メディアだけどね」

ふふっとウインクをして不敵に笑う市はやっぱり信長にそっくりだ。

「私はねセナ、今回の件であなたが恨みごと一つも言わず私もベルも受け入れてくれた事、そして兄さんを変わらず愛してくれている事が分かって何よりも嬉しいの。だからこんな会見、大した事ないわ。むしろどうやって記者たちにやり返してやろうかって楽しみなくらいよ」

「市…」

「……と言う事だ。セナ、貴様は心配せずここで待ってろ」

「信長…」


強い兄妹の決意と頼もしさを前に、私が言える言葉はもう何もなくて…



「社長、間も無く時間です」

ただ黙って2人を見つめていると、玄関の外から秀吉さんの声がした。


「分かった」

信長は秀吉さんに返事をすると、市と顔を見合わせ頷き合った。




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