第34章 告白
「私は、信長が好きだよ。信長じゃないとダメなの。信長が全部私に教えたんだから、ちゃんと最後まで私を幸せにして?」
何を言ったってもう遅いよ。
今さら何を聞いたって、私には信長を好きという気持ちしか残らない。
「…っ、貴様は本当に…」
ブハッと緊張を吐き出すように笑うと、両腕を開いて私を強く抱きしめた。
「信長…」
ドキンドキンと高鳴る私の鼓動と同じように、いつもより早い彼の鼓動が聞こえてくる。
やっと抱きしめてもらえた温もりを離したくなくて、私は負けないくらいきつく彼を抱きしめ返して彼を見上げた。
「いっぱい…キスして?」
私を、幸せな気持ちでいっぱいにして。
「……ふっ、貴様にはかなわん」
信長はやっといつもの俺様な笑顔に戻って私の頬に唇を押しあてた。
「セナ、…………」
そして私の耳元でボソッと低い声で囁いた。
“ありがとう、愛してる”
「………っ、」
それは、ありがとうを普段は言わない彼からの最大級のお礼の言葉と愛の言葉。
それだけで、一生分の言葉を彼からもらったような気がした。
「私も…私も信長の事を愛してる」
気持ちが一つになれば言葉はもういらない。
「ん…」
唇を重ね合わせるだけで、気持ちが通じ合う。
「んっ、……ん、……」
唇の感触を感じ合うように、信長は何度も角度を変えて私の唇を啄む。
「んっ、…ふふっ、くすぐったいよ」
「貴様はくすぐったい場所だらけだな」
頬に、瞼に、鼻先に…彼の唇から伝わる熱が灯されていく。
「セナ」
彼の大きな手が私の頬を包みもう一度唇を食むと、深い口づけが始まる。
「ん、………」
今までの辛いことは、全て信長と出会って幸せになるために必要な事。
辛いことを2人で乗り越えた後のキスは媚薬のように甘くてくすぐったくて、
「……っ、…ん、大好き」
今までで一番甘くて深いキスを、私たちはいつまでも交わし合った。