第34章 告白
「セナ、ここに座れ 」
食べ終わると信長は私のベッドに座って私を呼んだ。
まだ会ってからあまり触れ合えていない私の胸はドキンッと鳴ったけど、信長は自分の横をぽんぽんっと叩いてここに座れと合図を送ってきた。
(膝の上じゃないんだ)
いつもなら、迷わず膝の上に乗せて抱きしめてくれるのに…いつもの様に膝の上に乗せてくれない信長に寂しさを覚える。
(キスしたいな)
彼の手を見るだけで、その手のひらに頬を撫でられキスされるシーンが脳裏に浮かんできてしまい、信長の横に座って彼の腕にキュッと抱きついた。
「セナ 」
信長が優しい声で私の名前を呼んで大きな手のひらが頬に添えられた。
心が通じたと思った私はそのまま目を閉じてキスを待った。
なのに…
「ふっ、貴様は本当に…ククッ…」
笑い声と共に、チュッとリップ音が鳴ったのは、私の唇ではなくおデコから…
「……っ、なんで?」
(どうしてキスしてくれないの?)
寂しい気持ちと恥ずかしい気持ちでかぁっと顔が熱くなった。
「貴様、…俺に怒ってないのか?」
「えっ?」
「俺が貴様にした事だ。聞きたい事があるだろう?」
「っ、それは…」
会えた嬉しさですっかりその事が頭から飛んでた。
「キスもいいが俺の話を先に聞け。それを聞いてもまだ貴様がしたいと思えるのなら、いやってほどしてやる」
「…っ、…うん」
真剣な眼差しに圧倒されて頷くしかできない。
信長の口から、あの日の事をこれから聞くのかと思うと、喉がごくりとなった。