第4章 ケイティの部屋
「あんたの育て方間違えたみたいね」
「ふんっ!貴様が俺に教えたのは、法の目のかいくぐり方と、女と後腐れなく関係を断つ方法だけだ。貴様にとやかく言われる筋合いはない。セナは自分の意思で俺と付き合う事にした。自己防衛の方法くらい、マネージャーである貴様が教えてやれ」
「私がセナの面倒を見るのは、あくまで自社タレントとしてよ。あんたの性欲の捌け口としての彼女の面倒を見る気はないわ!」
「なら、それでいい。セナももう18だ。自己管理の範囲と貴様が言うのであれば、奴に任せるだけだ」
話は終わりだと言う様に、しっしっと、私と何の役にも立たない秀吉ちゃんを手で払い、出て行けと合図し、信長ちゃんはPCを打ち出した。
「セナを傷つけるのはやめて。あの子は純粋にあなたを想ってる。あなたも、それは分かってるはずでしょ?」
今まであんたの周りにいた女たちとは違う。セナは、織田信長ブランドとしてのあんたを見てるんじゃない。あんたの奥に隠れてしまった本当の織田信長をちゃんと見てる。
「敬太郎、貴様もつまらん事を言う様になったな。そんなものは一時のつまらん感情だ。どいつもこいつも、好きだ、愛してると、独占欲を剥き出しにして鬱陶しい」
「まだ、22のガキが偉そうに女を語ってんじゃないわよ!そー言うアンタだって、セナを独占欲で自分のものにしようとしてるじゃない」
そうよ、あんたはまだ22で、そしてセナは18なのよ。
「じき23だ。そんなガキに全てを背負わせてるのは貴様らだ。何も出来ないなら口を出すな。話は以上だ出てけ!」
もうこれ以上は聞く耳を持たないと判断し、固まった秀吉ちゃんを連れて部屋を出た。