第4章 ケイティの部屋
「..............はっ!?」
朝一で社長に呼び出されて社長室へ行くと、社長の口からとんでもない言葉が飛び出した。
「今、何て言ったの?」
「セナと付き合うと言ったんだ」
「付き合うって、男としてあの子と付き合うって事!?」
「それ以外にどんな付き合いがある」
「.......どんなって、信長ちゃん、あなた分かってるの?あなたは芸プロの社長で、セナはその会社に所属するタレントよ?社長が手を出すなんて聞いたことないわ!」
「じゃあ、これで聞いたことになったな」
ニヤリと、無駄に綺麗な顔が不敵な笑みを作った。
「まだまだガキのくせに、屁理屈こいてんじゃないわよ!秀吉ちゃん、あんたも固まってないで何か言いなさいよ!社長秘書でしょ!」
私と同様に、朝一でこの部屋に呼び出された秀吉ちゃんは、ただボー然とどこかを見つめて立ち尽くしている。はぁ、自分だって遊び倒してるくせに、社長への忠誠心だけは真面目で、いやんなっちゃう。
「敬太郎、言いたいことはそれだけか」
信長ちゃんが、もう黙れと言いたげに凄みを聞かせてきた。
「何よ、私をクビにでもする?」
誰もがあんたを恐れると思ったら大間違いなのよ!
「いや、話が分かったのなら、セナにあれを飲むように伝えておけ、俺もあまり長くは待てん」
「...........は?あれって.........あれの事?......あんた、精神的だけじゃなく、身体的苦痛もセナに負わせる気なの!?少しでもセナの事が好きで付き合うんじゃないの?」
「その事ならセナにも伝えたが、俺はそう言った感情は一切持ち合わせておらん。ただ奴を俺の手で育てたくなっただけだ」
「言ってる意味が分からないわ。育てたいなら社長として、セナを立派な自社の看板タレントになれるように育てるべきじゃないの?男としてじゃないでしょ?」
「もちろん、奴を売り出すことは俺の中で重要事項だ。だがそれでは、セナを他の男に渡すことになる。あいつの初めては全て俺のものにしたい。セナは、俺が見つけた俺だけのものだ、誰にも渡さん」
誰にも渡さんって、
「あんた......馬鹿なの?」
そー言う想いをなんて言うのかも分からないの?