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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第29章 突然の・・・



「むりむりっ!海外で成功なんてそんなの全然無理だよ、英語だってまだ習い始めたばかりで日常会話も怪しいのに。それに私に中々仕事がないのは信長のせいでも何でもないよ。私の実力不足と魅力のなさで、その…っん」


突然キスが落ちた。


「要するに、貴様を見出した俺の目が節穴で、俺のプロポーズも断ると言いたいんだな?」

「ちっ、違っ!」

慌てて信長の顔を見れば、言葉とは裏腹に、信長は楽しそうに口角を上げて私を見下ろしている。


「っ、どうして笑ってるの?」

何かおかしい事言った?

「予想取りの反応で飽きん奴だと思ってな」

「あ、もしかして、…揶揄ってただけ?」

そりゃそうか…。いくらなんでも急にプロポーズとかはないよね?


「いや、俺はいつだって本気だ。貴様が思っている以上に俺は独占欲が強い。心の結びつきだけでなく、法的にも誰にも手出しできんように、貴様を俺のものにしたい」

揶揄われたのだとホッとしたのも束の間、彼の本気の目が私を射抜いた。


「…っ、でも私、まだ20になったばっかだよ?って言うか、大学も仕事もあるし…」

「20歳は、籍を入れるのになんの問題もない」

「そ、そうだけど…」


「この芸能界に未練があると言うことか?」

信長は、意外だなとでも言いそうな顔で私に質問した。

「うーん、…確かに、信長がこの世界にいた頃のような必死さを私からは感じないかもしれないけど、それでも私なりに頑張りたいって思ってるよ?学業も芸能もって、人からすると甘いと言われるかもしれないけど、陸上を途中で諦めちゃったから、今度こそはちゃんとやり遂げたいってのはあるよ?」

信長に憧れて始めた陸上は交通事故により断念せざるを得なかったけど、その憧れだった信長に勧められて入ったこの芸能界で、まだまだだけど今度こそ頑張ろうと決めたばかりだ。


「この世界の、何がゴールなのかは分からないけど、先ずは一人でも生活ができるまでにはなりたい。結婚とか、信長と同じ苗字になるとか、そんなふうに言ってくれて夢のようで嬉しいしついて行きたいけど、まだ覚悟がないから、そんなわけにはいかないよ…」

本当はついて行きたい。毎日会いたいし、毎日触れていたい。でも、自分の生活もまだままならないのに、信長と結婚して彼を支える自信がない。



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