第27章 全てはあなたを喜ばせるため 〜信長様誕生日sp〜
「あっ、あとね、プレゼントもあるの」
「プレゼント?」
「うん、これ。....お誕生日おめでとう。信長にとって素敵な一年になりますように」
はいっ、と手渡すと、少し照れた顔で優しく微笑みながら受け取ってくれた。
「開けるぞ?」
「うん。」
(気に入ってくれますように)
長い指がプレゼントを袋から取り出しラッピング解いていく。
「..........ネクタイか、いいな。俺好みだ」
「本当?」
「本当だ」
チュッとまたお礼のキス。
路チューは困るけど、こう言うキスはどれだけされても嬉しい。
「俺も貴様に渡したい物がある」
唇が離れると、信長はスーツの内ポケットから封筒を取り出した。
「何?」
受け取った封筒は結構分厚くて、手紙ではないことが分かる。
「中、見てもいい?」
「ああ、」
(なんだろう?)
私は封筒の口を開いて中身を取り出した。
「ん?何かの写真?..............あっ、これっ!」
それは、2日前に撮られた写真の数々..........
ネクタイを買ったお店の中にいる写真や、プレゼントを買ってお店の前で紙袋を抱きしめる写真、記者を追いかける写真.............
「こっ、これっ!」
どうして信長が持ってるの!?しかもっ.....
「この写真.....」
「くくっ、よく撮れてるだろう?」
それは、私が必死の形相で記者を追いかけている写真.........!
「なっ、何で?」
「これは俺が撮った。貴様が現役の頃と変わらず綺麗なフォームで走っていたからついな」
「つ、ついって.......いつから見てたの?」
「貴様が店に入っていく所から全て、と言えば分かりやすいか?」
「ええっ!!!そんなとこから!?」
それは、最初からってやつだよね!?
「俺も、あの日は早く現地に着いてたんだが、貴様が一人であの店に入るのは恐らく俺の為だろうと思い、車で仕事をして時間を潰してたんだが、その後は貴様も知っての通りだ」
「そうなんだぁ〜。最初から全部知ってたんだぁ〜」
身体中の力が抜けたように、私は床にへたり込んだ。