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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第27章 全てはあなたを喜ばせるため 〜信長様誕生日sp〜



「お願い待って!」

声は届いているはずなのに、彼は構わず逃げ続ける。


「むーーー、これでも元インターハイ出場(未遂)選手なんだからね!」

直線のコース、もとい道に入った所で私は走りを早めて彼に追いつき肩を掴んだ。


「はぁ、はぁ、お願いします。逃げないで話を聞いて下さい」


「チッ、あんたが短距離走の選手だったって事忘れてたよ。で、何?載せないでは聞けないよ?」


舌打ちした記者は、肩を掴む私の手を払い毒づいた。


「その写真、いつの記事に載せるつもりですか?」

「明日の記事だよ」

やっぱり!

「それ、3日後とかに変更になりませんか?」

「はぁ?何言ってんの?こーいうのにも賞味期限があるんだよ。信長の誕生日プレゼントを選ぶ写真なんて特にそうだろう!」


「そこを何とかお願いします。内緒にしたくて、彼の誕生日前に記事に載って知られたくないんです」

いつも私を喜ばせてくれる信長の誕生日は、彼にとって最高の日にしたい。


「いいけど、それならお金払ってよ」

「えっ?」

「載せるなっていうなら、この写真買ってよ」

「い、いくらで?」

「50万」

「ごっ、50万!?そんなの無理です」

「信長からたくさんもらってんでしょ?それ位払えるんじゃないの?」

なんて嫌な言い方を.....!

「ばっ、バカにしないで下さい!私達はそんな関係じゃありません!」

とてつもなく大きな格差はあっても、信長のおかげで私達は対等なお付き合いをしてる。そんな風に言われるのは許せない!


「おー怖、可愛い顔して結構気が強いねあんた。じゃあ、何か他のネタちょうだいよ」


「ネタ?」

「あんたと信長のデート写真、撮らせてよ。今日これから、信長と会う予定ないの?」


「はっ?」


「最近あんたらちっとも出かけないから読者も寂しがってんのよ。だからさ、今夜デートして派手にキスでもかましちゃってよ」


「なっ、何言って.......」

確かにここ最近は忙しくて一緒に外出できてないけど、私達は別に週刊誌を賑わす為にデートしてるわけじゃなーい!!


「お断りします!私達は見せ物じゃありません!」


「ふーん、ならこの写真、明日の記事に載せるけど良いよね?残念だな。二人の写真さえ撮らせてくれたら次の号にしても良かったのに」



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