第24章 大人な彼との付き合い方
「政宗、セナの撮影は貴様には頼まん。俺の知らぬ所で脱がされたら困るからな」
車を路肩に停めて降りて来た信長が、政宗さんから引き離す様に私の肩を抱き寄せた。
「ちぇっ、自分はさっき脱がしてたくせに」
「ふっ、貴様にはやはりバレてたか?」
(な、何ですと!?)
2人のやり取りに、結局はバレていた事が判明。
もう、白目を剥いて倒れそうだ......
「今回は急な依頼で悪かったな。また何かの時は頼む」
「あんな信長様を見られるならいつでも来ますよ。また呼んでください」
「セナの撮影以外でな」
「まぁ、今日のところは帰ります。セナ、連絡してこいよ」
政宗さんは信長に軽く頭を下げて片手を上げると、そのまま人混みへと消えて行った。
「なんか、風の様な人」
掴めそうで掴めない。政宗さんは、そんな不思議な魅力の持ち主だ。
「そんな事よりも、かせ!」
消えて行く政宗さんを見送る視線の前に、信長の手がにゅっと伸びて来た。
「何?」
「名刺だ。政宗から受け取っただろう?」
「あ、あーこれの事?っ、えっ!」
パッと、私の手から信長はその名刺を奪い取った。
「な、何?」
「貴様には必要ない。俺が預かっておく」
「あ、う...ん」
(もしかして、ヤキモチ?)
少し拗ねて機嫌の悪そうな顔が私を見つめる。
「ふふっ、大好きだよ」
信長の手を握ってその腕に抱きついた。
私の彼は大人で、私はまだまだ子供だけど。そんな彼が子供みたいにヤキモチをやいてくれる事が何よりも嬉しい。
「帰るぞ。買い物にも行かねばならんしな」
「そ、そうだね............」
(完全に忘れてた)
男の人と下着.....もといランジェリーを買いに行くのは初めてだ。
よく、彼氏を連れてきて二人で選んでいるカップルを見て凄いなぁって思ってたけど、まさか自分にもこんな日が訪れようとは.......
きっと信長は、こんな事慣れてるんだろうけど.....