第24章 大人な彼との付き合い方
撮影終了後、着替えをしてスタッフさん達に挨拶を済ませた私は、車を取りに行った信長を待つ為スタジオの外で立って待っていた。(秀吉さんとケイティは先に帰った)
「身体、まだ熱いや」
仕事モード中の眠れる獅子?状態の信長を起こしてしまった私は、本番さながらな仕置きを受けながらの撮影をし、それが終了した現在も中々芯の疼きが治らない。
あの撮影の後、光秀さんがやってきて、
『貴様の本気は見せてもらった。カメラの前で信長様を本気にさせるとは、小娘なりに中々頑張ったな』
と、お褒め?の言葉と満面のニヤリ顔。
『だが、俺のあんな言葉でムキになるとは、やはりお前はまだまだ子供だな。まぁこれからも励むんだな』
と、結局は光秀さんの言葉にまんまと乗せられ、そして子供扱いをされるという結果に終わった。
(うーーー何だかとっても悔しい!)
「セナ、1人突っ立って何してんだ?」
「あっ、政宗さん。お疲れ様です」
「お疲れ。家どこだ?送ってやる」
(わっ、近い!)
「あ、大丈夫です。今信長が車を取りに行ってて待ってるので」
「そうか。あの信長様を足に使うとは、さっきの撮影もそうだが、お前も中々だな」
「え?さっきって......?」
もう、撮影の途中からは記憶が.......
「何だ、気づいてないのか?顔には出てなかったが、信長様があんなに焦る姿を見たのは初めてだ」
「そうなんですか?」
私にはいつも通りに、いやいつも以上に絶好調な信長にしか見えなかったけど........
「いいものを見せてもらったし、いいものが撮れた。仕上がりを楽しみにしてろ」
「はい。宜しくお願いします」
雑誌を見るのは、とても楽しみでもあり怖くもある.......
「今度はお前一人を撮ってやる。いつでも連絡してこい」
ピッとポケットから名刺を取り出すと、その裏に何かを書いて渡された。
「あ、ありがとうございます」
名刺の裏に書いたのは携帯の番号。
よくドラマとかで見るけど、こんな事がさらっと出来るなんて、さすが信長の仲間だ。(偏見もちすぎ?)