第24章 大人な彼との付き合い方
「は?........買い物って、まさかこの下着を買いに行くの?でもこれ、海外から取り寄せたって.....」
突然のお買い物提案に驚きを隠せない私に構わず、信長は話を続ける。
「このブランドの日本支店はこの近くにある。どうせ買うなら違うタイプの物がいい」
「えっ、この下着日本でも買えるの?って言うか、どうしてそんな事知ってるの?」
女性専門のブランドで男性物は確か取り扱ってないはず......
「................さっき、貴様が着替えに行ってる間に調べた........」
急に歯切れが悪くなり、珍しく目を逸らす信長。
とても怪しい......しかもそんな事調べるはず無いじゃん!
きっと昔の女の人達に付き合って行ったに違いなく..........、そして今の私はそれをやんわり聞き流すだけの余裕はない。
「嘘をつくなって私には言うくせに、信長は嘘つくんだね。過去の女の人と買いに行った事があるならそう言えばいいのに」
一旦は胸に収めたはずのざわざわした気持ちが再び顔を出し始めた。
「?何だ、まだ拗ねてるのか?だから子どもだと思われるんだ」
私の髪を指に巻き付けながら信長は何気なく口にしたんだろうけど、子どもだと決定打を言われた私は途端にカァッと頭に血が上った。
「私だって、いつまでも子供じゃない!」
信長の胸を強く押してベッドに沈めた。
「おい!」
身体を起こそうとする信長の上に私は馬乗りにまたがり、信長のガウンの中に片手を入れて、胸元にキスをした。
「っ、...............」
あまり見たことのない信長の驚いた顔と、悩ましい吐息が耳を掠めた。
「いつもいつも、私をやり込められると思わないで!」
信長の事が誰よりも好きだって自信があるし、その大好きな人の手で大人の女にされたんだもの。私にだって、自分から信長に仕掛ける事くらい出来るんだから。
ただ少しでも認められたい。
その時の私はそれしか考えてなくて........
これは、あくまで雑誌の撮影で”フリ”だと言う事は、この時の私の頭からはすっかり抜け落ちていた。