第24章 大人な彼との付き合い方
「次はベッドの上で戯れながら、徐々に彼女から彼に仕掛けて行く感じでお願いします」
直前まで、私達が軽く言い合いみたいになっていた事を知らない編集長は、私たちに歩み寄り撮影の手順を話す。
「ふっ、それならいつも通りやればいいだけだ。簡単だなセナ」
そして、気まずいと思っているのは私だけかの様に、信長は全然不自然さを見せる事なくスイッチを切り替え、普段通りに戻っている。
「いっ、いつも通りって、そんな事いつもしないじゃん!」
その言葉に焦って赤くなる私の反応に、スタジオ中から笑いが起きる。
息苦しいと、私だけが勝手に感じていた空気はあっという間に払拭されてしまった。
こんな対応がすぐにできてしまう彼はやっぱり大人で、切り替えがうまく行かない私はとても子どもっぽい。
信長は私の手を優しく引いて耳元にキスをする。
「貴様から仕掛けられるのは初めてだな」
悪戯な顔で笑う私の恋人はとても優しくて懐が深い。
でも、........
「ど、どうせ子どもだって思ってるんでしょ」
何だか悔しい...........
「今日は随分と突っかかるな。貴様は貴様だ」
「でも.....」
「先程の仕事の話は家に戻ってゆっくりと話そう。今は、貴様との撮影を楽しみたい」
ガウンを少し肩からずらすと、私の肩にちゅっと優しくキスを落とした。
「っ、...........」
こんな甘さ、ずるい。もうこれ以上何も言えなくなってしまう。
「今度は白か。........これも唆るな。」
ずらした肩からチラッと見えた下着に、信長は早くも反応した。
(やっぱり.........信長はこう言う下着が好きなんだ....)
「この撮影が終わったら買い物に行く」
そして予想外の言葉が彼の口から飛び出した。