第24章 大人な彼との付き合い方
完全に頭に血が上っていた私はベッドの上で横たわる信長の上に馬乗りになりガウンをはだけさした。
手の平に感じるのは硬い胸板と、左手には僅かな彼の鼓動。
いつも抱かれている時は余裕なんかなくていっぱいいっぱいで、だいたいにおいて、彼の首に強く抱きついてしまっている事が多いから、こんなにまじまじと彼の肌を見るのは初めてだ。
男の人なのにキメが細かくて、引き締まっていて本当に綺麗。
こんなのは本当に初めてで、とりあえず鍛え上げられた見事な胸筋にキスを何回か落として行くと、信長の胸の頂が目に入ってきた。
私はここを責められるととても弱いけど(いや、どこも弱いんだけれど......)信長もそうだったりする?
もう一度念を押しておくと、これは雑誌企画の撮影中で、決して私たち二人の恋人同士の時間ではない。
けれどもそんな事がすっかりと抜け落ちている私は、信長の綺麗な胸の先をぱくりと口に含み、僅かな先端を舌先で転がした。
「っ..、」
耳先に聞こえてきたのは、もしや信長の......
確かめたくて、もう一度舌先で転がしてみた。
「っ」
やっぱり聞き間違いじゃない!
耐える様な信長の甘い吐息が耳を掠め、硬い胸筋がピクリと跳ねた。
(気持ちいいって、感じてくれてる?)
何度も言うが、これは撮影中。
だけどこの時の私には、正宗さんの切るシャッター音も全く届いていない状態で......
もっと彼の事を気持ち良くしたくて、心だけがどんどん先へ急ごうとする。
はだけた彼のガウンを脱がし取りたいけど、どうしていいのか分からない。
困った私の心を読み取った様に、信長は私の腰を支えながら少しだけ上半身を浮かして自分で脱ぎ捨てた。
見慣れているはずの信長の鍛え抜かれた裸にドクンと胸が音を立てる。
再び体をベッドへと沈めた信長は、ニヤリと笑いながら不敵な顔で私を見つめる。
「っ、.............」
その挑戦的な目に負けたくなくて、私は片手で横髪を押さえながら身体を倒し、信長にキスをした。