第24章 大人な彼との付き合い方
「ここに座れ」
部屋をノックして入ると光秀さんが待っていて、鏡の前の椅子を引いてくれた。
信長もそうだけど、光秀さんもさり気なく女性をエスコートできるタイプだな。
ずっと共学だったけど、この世界に入るまでこんな風に男の人に席を引かれた事も、荷物を持ってもらった事も、扉を開けたり支えられたりされた事もなかった。
義元さんとデートした時、こんな男の人がこの世に存在するんだと驚いた事を思い出す。
信長の事が好きじゃなかったら、きっと私はとても気の多い女になっていた事だろう。
こんなイケメンに優しくエスコートされたら、どんな女の子でもきっと一瞬で好きになって勘違いしてしまう。(現に最初の頃、色々としてくる信長に私の事が好きなのかと勘違いな質問をした事がある......バッサリ斬られたし......)
「どうした、人の顔をじろじろと見て」
あれこれと思いを巡らせていたから、ついつい光秀さんの綺麗な顔をじーっと見すぎていたみたいで.........
「あっ、ごめんなさい。政宗さんといい光秀さんといい綺麗な顔をしてるなぁって思って.......きっと、すごくモテるんですよね?」
何も考えず心の声をそのまま光秀さんに伝えてしまった。
「急に何を言い出すのかと思えば、....信長様から俺に鞍替えしたいと言うお誘いか?」
ククっと、私の髪を梳かしながら光秀さんは目を細めた。
「ち、違います!そう言う意味じゃありません。私は信長.....じゃない、社長の事がもうずっーーーっと大好きですから!」
「ああ、初めて会った時からそう顔に書いてあったな。......こら、動くな前を向け」
興奮して揺れ動く頭を持たれ、グイッと前を向かされた。
顔に書いてあるって、.....そんなに最初から大好きオーラ出してたの、私!?
光秀さんの指摘に、またもや顔は赤くなる。