第24章 大人な彼との付き合い方
「あれから、髪と肌の手入れを頑張ってるみたいだな。以前より手触りの良さも艶もキメの細かさも増してる」
「あっ、ありがとうございます。あの日光秀さんに頂いたメイク道具とスキンケアやトリートメント、毎日使ってるんです。あんなにたくさん、本当にありがとうございました」
光秀ブランドの商品なんて、私の微々たるモデル料やバイト代では中々買うことはできないし、物によっては何ヶ月待ちとか予約時点で完売して手に入らないって聞いたことがある。
「そうか、それは良かったな。まぁ、お前が磨かれてる理由は俺の道具と言うよりは信長様によるものが大きいだろうがな」
「え、どう言う意味ですか?」
意味深な言い回しに聞かずにはいられない。
「言葉通りの意味だ」
そこからは自分で考えろと言わんばりに光秀さんはニヤリと口角を上げて鏡越しに私を見た。
「言葉通りって.........」
恋をすると、女は綺麗になるみたいな.....事?
「小娘にはまだ難しかった様だな。何でもない気にするな」
何だかその口調が少し子供扱いされているみたいで、少しだけムッとすると、
「相変わらずすぐ顔に出る娘だな。これでは中々信長様がこの世界に一人で出せない訳だ」
光秀さんは肩を竦めて笑った。
「........どう言う意味ですか?社長とお仕事をしたのはこれが初めてで、それ以外はちゃんと自分で...............っ、」
そう言えば、どんな現場も最終日には信長の姿があった。でも、それは信長に守られてる様でとても嬉しかったけど、..............ダメなの?
「お前は、あの信長様を初めて本気にさせた女なのだろう?あれだけ世間を騒がせて、しかも有名雑誌のモデルもしている。そんなお前に仕事の話が少しだけとはおかしいと思わないか?」
「それは.......」
正直、考えたことなかったけど、.........
そう言えば、あれだけ毎回ゴシップ雑誌に載せられてるのに雑誌記者の突撃インタビューとかも受けた事はない(義元さんの時はお金を払って揉み消してくれた。)