第24章 大人な彼との付き合い方
「はい。すごくかっこいいんです」
「あははっ!ここはそんな事ないですって言うところなのに、さすがにあんなにカッコいいと謙遜もできないよね」
「あっ、そうか.......。でも、私自身今だに信じられなくて.....」
「なにそれ、惚気〜?」
スタイリストさんはケラケラ笑いながらもう片方の肩紐の調節をする。
「惚気と言うか、もうずっと好きだったから、今だに片想いしてるみたいな気分なんです」
今日みたいに男の色気たっぷりで余裕な信長を見てしまうと特にそう感じてしまう。
「なーんか分かる気がする。さっきのセナ、完全に信長さんに蕩けちゃってたし、まだまだ子どもだなぁって思ってたけど、途端に女の顔に変わっちゃって、......信長フェロモン恐るべしだね。.........だけど一体どうやって付き合う事になったの?」
興味津々に聞いてくるスタイリストさん。
「どうやってって言うか、会う度に好きですってずっと言い続けて付き合ってもらったみたいな感じです」
いきなり訳も分からないままに契約をして付き合う事になったってとこは、うまく説明できない。
だってあの頃は、とても素っ気なくて信長の気持ちが全然分からなくて、だから自分からいつも気持ちを伝えてた。そしてそのたびにとても苛々されて、酷く抱かれてた気がする......
あの観覧車に迎えに来てくれた日の事は、信長の心にどんな変化があったのか私には未だに分からないけど、あの日以来とても大切に愛されていると実感させてくれてる。
「なるほど〜、あー言うタイプには駆け引きより真っ向勝負が良いのかぁ」
うんうんと、スタイリストさんは何かに納得した様に頷いた。