第24章 大人な彼との付き合い方
「どう言う.....意味?」
「気にするな。例え話だ」
この先何があったって、私が信長以外の人を好きになる事はないし、この気持ちが褪せる事はないと自信を持って言える。
「ずっと、大好きだよ?」
何故か信長の心が悲しんでいるような気がして、場所も気にせず抱きしめた。
カシャカシャと、政宗さんが再びカメラを構えてシャッターを切る。
「何を今更。当たり前だ」
俺様らしさを取り戻した顔が近づき触れるだけのキスが落とされる。
「二人とも気分が上がってきたみたいなので、このまま撮影を開始します。最初は前戯となるキスまでの撮影です。ストップが掛かるまでは普段通りにお願いします」
編集長が、二人の世界に入り始めた私達を見て、現場全体に合図を送る。
映画やドラマの撮影ではないから、ガチンコがあるわけでは無いけど、気分的にはガチンコが鳴ったような気がして、私達二人の撮影がスタートした。
「普段通りって言われても、みんなが見てると思うと恥ずかしいね」
「俺は気にならん。逆に人前で貴様にキスしても貴様に咎められんと思うと楽しみな位だ」
ニヤリと笑うその悪戯な顔に、これから人前でどんな事をしようと言うのか、一抹の不安を覚える......
「あれは本当に困ってるんだよ?すぐ週刊誌に載せられちゃうし......」
人前では禁止と言っても全然聞いてくれないし.....
「してもしなくてもどうせ撮られるんだ、同じだろう?」
「どうせ撮られるんだとしても、普通にデートしてる写真とかがいい!毎回キスしてる写真なんて、何だか..........」
そんな事ばっかしてるみたいで、やっぱり恥ずかしい。(そんな事ばっかりしてる気がしないでもないし........)
「何だか、何だ?」
分かってるくせに、信長は楽しそうに口の端を上げながら私の横髪を梳くように手を差し込む。
「いじわる......っ、」
「分からんな」
優しく私の首筋に唇を押し当て、くくっと耳元で笑った。