第24章 大人な彼との付き合い方
着替えを済ませ、光秀さんにヘアメイクをしてもらいスタジオへと戻ると、無機質なスタジオという空間の中に、ホテル並みにゴージャスなベッド空間が出来上がっていた。
「わぁっ!」
編集長いわく、本来ならホテルやレンタルハウスの一室で撮影をするけれど、今回の内容は発売日前日まで完全に隠し通したい為、スタジオ内にセットを組んで行う事にしたそうだ。
信長は既に組まれたそのセットのベッドに腰を掛け誰か男の人と話していた。
信長も、私と同じガウンを見に纏っている。
遠巻きに見てもやっぱりオーラが半端なくカッコよくて、いつも以上に大人で艶めいたフェロモンが出ていると思ってしまうのは気のせいだろうか?
付き合ってるし、体の関係もあるし、半同棲の様な状態だし、何を今更なんだけど、.....でも、色っぽさ全開な信長を目にしたらやっぱり緊張してその場に固まってしまった。
「セナ」
信長が私に気づくと、一緒に話していた人に何かを伝えて、私の元へと歩いてきた。
「そんな所に突っ立ってどうした?」
目の前に迫って来たガウン姿の信長......
その姿を目の当たりにしただけで、顔が熱くなった。
「顔が赤いがどうした?」
私の顔に手を当て心配そうに覗き込むその仕草にまたしてもドキリとして、一層顔が熱くなった。
「の、信長がカッコよくて、何か......緊張してきたみたい」
信長の手を取って両手で握り締めた。
「ふっ、あまり可愛い事を言うな。撮影じゃ済まなくなる」
信長は目を細めて私のおでこに軽く唇を押し当てる。
カシャ!!カシャ!!カシャ!!
それと同時にシャッター音が聞こえてきた。
「おい政宗、勝手に撮るな!まだ撮影は始まってない」
私達の前でカメラを構えてシャッターを切る男性に、信長様は撮影を止めるように睨みつけた。
「俺は撮りたい時に撮る。いくら信長様でもそれは聞けないな」
眼帯をしたイケメンは、構わずシャッターを切っていく。
「あの人が、今回のカメラマンさん?」
何だか、とても自由人な匂いがする.........
「ああ、カメラマンの伊達政宗だ」
「伊達政宗!?...........ってあの伊達政宗!?」
光秀さんに続き、世界的に有名な人がまた現れた。