第24章 大人な彼との付き合い方
「ならお互い問題はないな。まぁ、色々と条件は出すがな」
信長はそう言ってニヤリと口角を上げる。
「条件って?」
「カメラマンとヘアメイクは俺の指定した者にする事。俺たちのプライベートな内容の文章は一切掲載せず、基本は写真で内容を語る事。まぁ後は、事務的な内容だから貴様は知らなくても大丈夫だ」
「そうなんだ.....」
事務的な内容は省かれてしまい、少し寂しさを覚えたけど、大人な内容は私には確かに分からないし......
「ふっ、そんな置いて行かれたような顔をするな。俺の仕事の事はその内ゆっくり貴様に教えてやる。それよりも今は自分の心配をした方がいいぞ?」
「えっ?」
私の心の内を全てお見通しの信長は楽しそうに私に言う。
「振りとは言え、みなの前で俺と本番さながらな事をするんだ。いつものように声を出したりと言うわけにはいかんぞ」
「あ...............」
確かにそうだ。
「それは.............全然自信ないかも......」
もう、触れられるだけで身体は簡単に反応してしまうし、声なんて、この間のプールでの時だって全然我慢ができなくて漏れまくってた.........
何だかとても不安......
「貴様の声が聞けないのは俺としても残念だが、他の奴らに聞かせるわけにもいかん。暫くは声を抑える練習あるのみだな」
「........そんな事.......できるかな........」
「試してみるか」
信長は静かに言うと、お箸を置いて席を立った。
「えっ........?何?.................っん!」
私の席まで来ると、驚いて信長を見上げる私の顎を持ち上げてキスをした。
「んぅ..............っあ、.......んっ.......ん、......はっ、ぁ」
角度を変えられるたび、どうしようもなく声が漏れた。
「くくっ、これは難航しそうだな」
私から唇を離した信長は心底愉快そうに口元を緩めた。
「う〜〜〜笑わないで〜〜〜」
撮影日はまだ決まっていないけど、そう遠くない日までに声を耐えることができるようになるのか........
いきなり大きな壁が私の目の前に立ちはだかった。