第24章 大人な彼との付き合い方
「なっ、何でもう知ってるの?」
信長に飛びついて抱きとめられたまま、私はしたり顔の信長に尋ねた。
「社に戻る途中の車の中で敬太郎から連絡をもらった」
「あっ、そうか。.......ケイティには連絡するって編集長言ってた」
それにしてもみんないつも仕事が早い。
私だって数時間前に聞いたばかりなのに、悩む暇もなく信長にまでもう伝わってるなんて..........
大人の世界は学生の私とは違いとても物事がスピーディで、信長から見た私はとてものんびりに見えてるのかもしれない。
「と、とりあえず聞きたいことたくさんあるし、ご飯食べながら話そ?」
「そうだな」
信長の腕から下りてキッチンへと向かい、切っている途中だった鶏ハムを切ってお皿へ盛り付けた。
「............で、さっきの雑誌の事なんだけど.......本当に信長と出られるの?」
席に座りご飯を食べながら、とりあえず一番気になるところから聞いてみた。
「あぁ、出る」
信長は当たり前のように答えてご飯を口に運んでいる。
「でも....もう引退してるし、あれこれ指図されるのは嫌だって.....」
「今回の企画はあくまで貴様が主役で俺はただの相手役だ。それに貴様の相手を他の奴にさせるわけにはいかんからな」
「そ、それはそうだけど、でもそれなら断ってもいいよ?」
無理に信長に出てもらうのも何だか.....
「ふっ、何を勘違いしているのかは知らんが、別に無理をして出るわけじゃない。写真だけなら、毎週の様に週刊誌に載せられているしな」
それは、確かにそうだ。
(この間のリゾートの写真もしっかり撮られて掲載されていた)
「思い出に縛られるのは好きじゃないが、俺との写真が欲しいと貴様も言っていたし、俺たちの今をそう言う形で残すのも悪くないと思えたからな、悪くないと思って引き受けた。それでは不満か?」
私の頬に手を置いて信長は優しく理由を伝えてくれる。
「ううん、全然、全然不満じゃないよ!本当は不安だったから相手が信長だって聞いて嬉しかったし、こんな風に思い出を残そうと言ってくれて嬉しい」
毎年の特集を見ても、ほぼ裸体と言っても過言ではないし、世間の人に見られるのも恥ずかしいけど、相手が本当に大好きな人となんて、私はとても幸せ者だ。