第23章 夏休み
「苦〜い!........何?この葉っぱみたいな野菜」
信長が頼んでくれた遅めのランチサラダの中に、なんともクセのある肉厚の葉っぱが........
「パルダマと言って、この島で採れる野菜らしい」
信長もその野菜をフォークで刺して目の前で観察するように見て食べた。
「パルダマ?......初めて聞いた。表面は緑で裏が紫なんて、変わってる。.............んんっ、......やっぱり苦い!」
肉厚なだけに苦味もしっかり口の中で主張して来て中々クセのある野菜だ。
「身体には良さそうだが確かに苦いな」
「もう無理、信長にあげる」
パルダマだけをフォークですくって信長のサラダに入れた。
「おいっ、好き嫌いはするな。ちゃんと食べろ!」
信長はそれをフォークで指して私の口元へと運んだ。
「えーーーーー!」
本当に苦手なのに...........
「ほら、口を開けろ」
「うーーーーー」
仕方なく口を開けてパルダマを食べた。
「うぅ......一気にたくさん食べると余計に苦味が....」
「好き嫌いをするからだ」
信長はふんっとしたり顔で笑うと、自分のサラダを平らげた。
「.............この後、海に泳ぎに行ってもいい?」
信長に抱かれ続けるのもいいけど、せっかく南の海に来たんだから2人で海で泳ぎたい。
「あまり日焼けはさせられん、少しだけだぞ」
「うん!」
食事を済ませ、行方知らずの水着を探すと、ランドリールームにしっかりと乾かしてきれいにたたまれていて、それを信長がしてくれたのかと思うと意外で、またたくさん彼の事を好きになった。