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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第23章 夏休み



「プールのあるお部屋なんて凄いね。好きな時に泳げて貸切状態なんて贅沢〜。本当にありがとう」 

今回の旅費は全部信長が払ってくれてる。それ以外だっていつも全部おんぶに抱っこ状態で........せめてもの感謝の気持ちと思って作る手料理だってまだまだで、感謝してもし足りない。


「ふっ、プールで喜ぶとは、やはりまだ子供だな」

綺麗な顔を私に近づけて、信長は悪戯な言葉を言う。


「むっ!また子供扱いする!!子供だと思うなら水着も子供仕様にして欲しかった!」

本当に恥ずかしいのに、ここだけ大人扱いってどうなの!?

何かというと、すぐ子供扱いする信長の顔に水をすくってかけた。


「っ、そうやってすぐにムキになる所が子供なんだ」

顔にかかった水を拭いながら、バチャっと、今度はやり返された。


「信長だってそうやってすぐ怒るじゃん!」

バチャっと、再度やり返す。

「貴様が約束を破るからだ!」

また水が顔を目掛けて飛んできた。

むーーー、約束は破りたくて破った訳じゃないのに!!でも、これではエンドレスだ。喧嘩はしたくない。


「あっ!じゃあ勝負しようよ」  

このやり取りを終わらせるいいアイデアが浮かんだ。

「勝負だと?」  
  
「うん、どっちが長く水中に潜ってられるかの勝負」

「貴様、俺に勝てるとでも?」
信長は不敵な笑みを浮かべる。

「走るのは勝てないけどそれなら勝てるかもしれないよ?」

「ふっ、どちらも無理だ」

オレ様に鼻で笑う信長に少しだけむっとした。


「むっ、分かんないじゃん!じゃあ私が勝ったら何でも言うこと聞いてくれる?」

「俺はいつでも聞いてると思うが......いいだろう。だが俺が勝ったらどうする」

「え?うーーん......私も、聞ける範囲なら言うこと聞く」


「分かった」


「じゃあ行くよ。よーい......スタート」


ジャプンと、二人で一斉に潜った。



水中眼鏡をしてないから目は瞑ったままで信長の様子は見えないけど、小学生の頃スイミングスクールに通っていたから素潜りはちょっと自信がある。卑怯かなと思ったけど、こうでもしないと信長に勝てるものが一つもない私は願い事を聞いてもらえそうにないから。



どれくらいたったかな。
かなり息苦しくなって、もう勝っただろうと思って水から飛び出した。




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