第23章 夏休み
チェックインを済ませた信長に連れられて白い砂が撒かれた道の上を歩く。
ガイドブックで見るよりも高級感溢れる建物からは、綺麗な三線の音色が聞こえて来る。
建物が隠れるほどの高さの壁を通り抜けると、綺麗なヴィラが現れた。
「わぁ」
鍵を開けて中に入ると、広い部屋と、その先に綺麗な海が広がっている。
「すご〜い!!プールもある。見てきてもいい?」
「あぁ」
興奮する私を見て目を細めながら、信長はテラスに出る窓を開けてくれた。
「見てみて、すごいよ!プール大きくて深い!海も目の前!」
マスコミを気にすることなくとは言ってたけど、一軒一軒が高い塀に囲まれていて、本当に完全なプライベート空間だ。
「セナ、日焼けする前に一度部屋に戻れ!ここは東京よりも日差しが強い」
「あっ、そうか。危ない危ない」
ただでさえ色黒(多分地黒ではない......はず)なのに、人よりも紫外線を吸収しやすい私にとって、日差しは今や大敵だ。
手で顔を太陽から守りながら部屋へと戻った。
「もう少し日が落ちたらビーチの方へ行ってみるか」
「うん。ありがとう、こんな素敵な所に連れてきてくれて」
二人きりになれたから、遠慮なく信長に抱きついて嬉しい気持ちを伝えた。
「日が落ちるまでまだ時間もある、する事は一つだな」
軽く私の頭にキスをすると、そのまま抱き上げられベッドに下ろされた。
「えっと.........今からするの?」
着いた途端いきなり?
「ふっ、充実した休暇になりそうだな」
「待っ、んっ...」
リゾート気分で着てきたゆったりワンピースはいとも簡単に脱がされて、開放的な空間にあっという間に開放的な姿の自分。
初恋で、初めての彼氏と訪れた初めての地は、同じ日本なのにどこかエキゾチックで、
「ぁっ、...........」
大きなベッドの上で信長に酔わされながら、高い天井の中心でゆっくりと回るファンを見ていた。