第22章 Etigo
明日は、メンバーの海での演奏撮影と、私の海岸での撮影のみ。天候にも恵まれそうで、このままいけば予備日は使わなくて済みそう。
「はぁ〜疲れた」
佐助君と幸村、そしてスタッフさん達とご飯を済ませ、私はホテルの部屋へと戻って来た。
スマホを確認するけど信長からのメッセージはやはりない。
もともと連絡を取り合う事が煩わしいと言われて連絡先を教えてもらえなかった事もあり、好きだと言われ連絡先を交換した後でも、私は自分から信長にメッセージを送った事はない。
信長から送られてくるのは、今夜会えるとか、ご飯も一緒に食べるとかの言わば連絡的な事で、私も分かったよ〜とかのメッセージを送るだけ。
でも........
ここ最近は結構一緒にいる事が多かったから、たった2日会えないだけでも寂しい。(信長もちょうど出張だって言ってたけど)
「メッセージ、送ってもいいかなぁ」
ごろんとベッドに寝転がりながらスマホを見つめる。
でも、めんどくさいって思われるかな.....
返信しなくてもいいような内容で送れは問題ないかなぁ
「うーーん」
好きだよって気持ちだけ伝えておやすみってしめれば大丈夫だよね?
結局メッセージを送りたい気持ちが勝り、
【今日の撮影無事終わったよ。2日間も信長に会ってないから寂しいけど、あと少しがんばるね。おやすみなさい】
「送っちゃえ、えいっ!」
勢いに任せて送信ボタンを押した。
別に付き合ってるわけだし、もう半同棲のような感じだと言っても過言ではないのに、手汗を掻くほどの緊張感.......
送った画面を見ると、既読の文字がついた。
「わっ、見た!」
心臓がバクバク言ってる。
「返信くるかな、来ないかな、いや案外返信くれるかも。いやいやそれはやっぱりないよね」
と、画面にずっと話しかけながら、慣れない撮影で疲れていた私はそのままスマホを握りしめたまま寝落ちした。