第22章 Etigo
そして、スタジオから近いカフェにやって来た。
「ほんと、久しぶりだよね。約3年ぶり?高校は佐助君引っ越して離れちゃったから最初分からなかったけど、Etigoのメンバーだったんだね。苗字が猿飛って芸名?だから全然分からなかった」
久しぶりの同級生との再会に、私も興奮してしまう。
「ふふ、セナさんは変わらず元気だね。俺は中学卒業した後引っ越した先の高校で一緒になった幸村に今のバンドに誘われてね。幸村とは大学も一緒なんだ」
「そうなんだ。あっ、大学って、都内?私は都内の大学の教育学部に通ってるよ」
「俺も都内の大学で宇宙物理学の勉強をしてる」
「やっぱり?佐助君、昔から晴れた夜は天体望遠鏡持って土手の方まで自転車走らせてたよね」
懐かしいなぁ。
「覚えてたんだ?俺もセナさんは真っ黒に日焼けしてトラックを走ってるイメージが強いな。あとは手足が長いからキリンって呼ばれていたよね?」
「ふふっそのあだ名懐かしい、忘れてたよ」
田舎の小さな町の学校は、小学校は1クラスで中学も3クラスと少人数で、みんな家族みたいに一緒に成長した。
高校は佐助君とも離れちゃったけど、こんな風に再開できるなんて嬉しい。
「でも地元のみんな驚くよ。佐助君がEtigoのメンバーだって知ったら。ほんとすごいね」
「セナさんだって、いつの間にかモデルなんて、MVの出演者の名前見た時は驚いたよ」
「私はまだなりたてだけどね。佐助君達に迷惑かけないように頑張るね」
初めてのお仕事だけど、佐助君もいるし、楽しみになって来た。