第20章 格差
「でも、あんな凄い演技が出来るのにもったいない」
あんなにも、圧倒的な存在感を放っているのに....
「ふっ、それに演技とは言え貴様以外の女と絡む事はもうできん。貴様の嫉妬も凄そうだしな」
ぎしっと、ベッドに下された。
「うっ、確かに.....濡れ場はもう見たくないかも...」
それに、あの映画の中の信長は今の私と同じ歳の頃なのに、もうあんな事が出来てたなんて、一体どれだけ女の人と遊んで来たんだ!
「でも、やっぱり凄いと思ったしかっこ良かったよ?今の私と同じ歳であんな演技.....私にあんな演技できないもん」
「貴様は、あんな映画には絶対に出させん。キスシーンも許可はできん。暫くはモデル業に専念するんだな」
ちゅっと、軽くキスされた。
「じ、自分はしたくせに....」
「貴様に出会う前の話だ」
ちゅっと、今度は首筋にキスをした。
「ん、じゃあ信長の夢はこの会社を大きくする事?」
モデルとしても、海外からオファーが殺到していたと聞いてるけど、きっとこれにも未練はないんだろう。
「夢ではなく、必ず実現させる目標は既に動き出してる」
「えっ?」
「初めての目標は、陸上で世界を獲る事だったがこれは断念したからな。次こそは実現させる」
「それは、.......何?」
「この会社を、世界一の芸能プロにする事だ」
信長の目がキラキラと輝いている。
とても壮大な目標だけど、この人はきっとやり遂げるんだろう。それだけの努力を惜しまない人だから...
私の好きになった人は余りにも大きな人で、時々置いて行かれそうな気持ちになる。
「信長はすぐ実現しちゃいそうだね」
不安な気持ちを隠す様に、信長の首に腕を巻き付け抱きついた。