第19章 オレ様と私
そして残された私と家康.........
「えっと...... 本当に迷惑かけてごめんね?大した事は出来ないけど、今度夕ご飯のお裾分けでも持ってくね?何か好きなものあれば教えて?」
もう、私に出来ることはこれくらいしかない。
「........辛いもの」
「えっ?」
「だから、俺はワサビとか辛い物が好きだから」
あ、照れてる?
「分かった。辛いものね。まだ料理始めたばかりで上手く作れる自信ないけど頑張るね。夜いる日も教えて?」
家康は、夜はだいたい部屋にいるからと教えてくれ
「言っとくけど、おかず少し貰ったくらいじゃカバーできないから」
と、この後も仕事だからとエレベーターに乗って行ってしまった。
家康とこんなに話したのは初めてだけど、思っていたより話しやすくて良い人だ。
大学で一人でいた時も、心配して義元さんと2人で声をかけてくれた事があった。
素っ気ないけど、時折見せてくれる優しい笑顔が本当の家康なのかもしれない。
それにしても、私のせいでこんな事になっていたなんて驚きだ。
今夜は信長も仕事で会えないから、とりあえず明日の夜からのおかずの買い出しと、玲衣にメッセージを送って、日雇いのバイトを紹介して貰うことにした。