第17章 育まれる関係
「..........あれ?」
目覚めると、見覚えのない天井....
ホテルとはまた違う。でも洗練された空間...
「俺の部屋だ」
大好きな人の声と、その人の腕が私を包んでいる。
「信長?うそ...私......寝ちゃった?」
「しかも玄関でな。犬かと思ったぞ」
「もう...犬ってひどい、前飼ってた犬って、そんなに大きな犬だったんですか?」
「?.........貴様..なぜ.....その事を知っている?」
冗談まじりで返したのに、彼の顔は急に真剣なものになった。
「えっ?昨日ケイティに聞いて...でも今は妹さんとハワイの自宅にいるんですよね?」
もしかして....聞いてはいけないことだった?
「あ、あぁ、そうだ。今はいない」
ほっとした顔の彼...
「どうかしましたか?」
「いや、何でもない」
そう言うと、彼は私を抱きしめる力に力を込めた。
「なぜ、あんな所で待ってた?」
犬の話は終了し、彼は私が玄関にいた事を聞いて来た。
「あ、何かお部屋が広くて寂しくなって....あと、帰って来たらすぐ会いたかったから......ふふっ」
結局寝ちゃったけど、こうしてまた一緒に朝を迎えられた。
本当に嬉しくて、ぎゅっと彼に抱きついた。
「ふっ、貴様は本当に、言うことがいちいち可愛い」
彼の唇がおでこに押し当てられると、幸せが身体中に広がった。
「来い。中を案内してやる」
彼に手を引かれ、家の中を見せてもらった。
実際使っているのはこの1階(23階)部分だけで、2階は親しい人が来た時用のゲストルームとパーティルーム。最上階は、去年までいた犬のために屋上庭園みたくなっていて、歩いていると、所々に白くて長い犬の毛が落ちていて、彼がその犬を可愛がっていた事がよく見て取れた。