第15章 キス禁止
「飲め」
天国?に連れて行かれた後、ベッドからまだ出られない私の横のサイドテーブルに、信長はペットボトルのミネラルウォーターを置いた。
「......力が入らないから、飲めない」
(蓋を開ける力なんて出ないよ)
ぐったりとした私を見てくくっと笑うと、信長はペットボトルの蓋を開けて、自分の口に運んだ。
「えっ?それ私の......んっ!」
ギシッと、ベッドに手をついて、そのまま口移しで水を飲まされた。
「んっ..........ん...」
コクリと飲み込むと、冷たい水が喉を通り抜けた。
「はぁ........」
唇が離れると、彼は口角を上げて楽しそうにまたペットボトルの水を口に含んだ。
「も、もういい、いらな...んぅ」
コクンと水は喉を通り抜けたのに、彼のキスは止まらない。
ベッドに押さえつけられる様に口づけられているから、角度を変えるたび、どんどん深くなっていき、明らかに水ではないものが口から溢れ、私の頬を伝った。
「っ、...キス.....禁止だって言ったのに....」
「ふっ、それは却下したはずだ、それに、これはキスではない。水も飲めんと貴様が言うから飲ませてやっただけだ」
完全に楽しんでる信長は時計をチラッと見た。
「....そろそろ時間だ」
そう言うと、信長はベッドに腰掛け、私を抱き起こしてくれた。
「はぁ、.........時間?」
「今日も撮影があるだろう?俺が送って行く。シャワーを浴びて着替えて来い」
撮影.......?
あ........
「............っ、やばっ!」
昨夜からの甘さは完全に吹き飛んだ!
そうだ私、二日前に泣き崩れて早退して、昨日は無断で休んだんだ。
まだ完全に力の入らない体を無理やり動かして、自分のスマホを鞄から取り出した。