第2章 XOXO
「あなたの部屋の両隣は空き部屋だから、一番近いここから行きましょう」
ピンポーンとケイティはドアの横のインターホンを押した。
「............はい」
ガチャリとドアが開いて出てきたのは、ゆるふわウェーブのロングヘアが印象的なハーフ美人。
「今日からここの寮に入ることになったセナよ。セナ、この子は玲衣(れい)あなたの2歳お姉さんね」
「玲衣(れい)よ。よろしく」
「あっ、セナです。よろしくお願いします。これ、つまらないものですが」
菓子折りを差し出すと、「ありがとう」と言って、真っ白できれいな手がそれを受け取ってくれた。
「玲衣さんは、ハーフですか?」
「玲衣でいいわ、そう、父がイギリス人なの」
「わぁ、かっこいい」
「所であなた........」
「あ、セナです。私もセナって呼んでください」
「じゃあセナ、あなた、社長が自らスカウトに行ったって聞いたけど本当なの?」
「?あ、はい」
「へぇ、.......」
玲衣は私を上から下まで見て、意味深に呟いた。
(何だろう?)
「玲衣、あなたもうすぐ路上ライブの時間でしょ?この間も申請書が出てなくて苦情が来たと、管理から小言を言われたわよ。気をつけなさいね」
ケイティが私達の間に割って入り、玲衣は「はいはい。じゃあよろしくねセナ」と言ってドアを閉めた。
「あの子はシンガーソングライターで福岡から上京してきているの。REIの芸名で歌ってるわ。気は強いけど良い子だから仲良くしてあげて」
「はい」
「次はここね」
ピンポーン
「は〜い」
ガチャっとドアが開いて出てきたのは
「あっ!」
「彼の事は知ってるわね」
「知ってるも何も、人気アイドルグループ〔varlets〕のメンバー蘭丸さん」
「わぁっ!俺の事知ってるの?君セナでしょ?顔小さくて可愛いね。さすが信長様が見つけた子だけあるね」
「あ、ありがとうございます」
いや、あなたの方が凄く可愛いと思うけど......さすが超人気アイドルは何か半端なくキラキラしたオーラが見える。