第15章 キス禁止
「っ、....はぁ、.....」
「朝の挨拶は、次からこれにしろ」
「え、私から.....するの?」
全然むりだけど......
「あんなにも、俺が好きだと連呼して来たんだ。簡単だろう?」
「か、簡単なわけ.......」
ないじゃん!
やっと、抱かれる良さも昨夜知ったばかりなのに....
「.....早くしろ」
「えっ?今するんですか?」
だって、もうキスしたのに......
唇が触れそうで触れない距離で、彼は意地悪に私に囁く。
もうこれは、キスしないと離してはくれなさそう........
「っ、信長の嘘つきっ、私の嫌がる事はしないって言ったのに!」
彼を軽く睨んで、私は彼の唇に、おはようの触れるだけのキスをした。
初めて自分からしたキスにドキドキしながら唇を離すと、
「阿呆、俺はそんなキスを貴様に教えていない」
彼はそう言うと、私の顔を強引に向かせて、
「えっ?んっ.......」
再び、深い口づけをした。
・・・・・・・・・・
「どうぞ...」
パントリーに置いてあったポーションタイプのコーヒーを入れて(私はラテ)、ガチャっと乱暴に彼の前に置いた。
「何だ、まだ機嫌が治らんのか?」
彼は怪訝そうに私を見る。
「だって...........」
あの後、崩れ落ちる程のキスをされた(抱き止めてくれたけど)。
「..........もう、...キス禁止」
「はっ?」
「信長とキスすると、全然止めてくれないんだもん。困る...」
ふわふわとなって、どんどん流されてしまう。
「却下だ。俺は困らんし、貴様とキスをして止める理由が見つからん」
オレ様に、私の訴えを簡単に切り捨て、信長は私が置いたコーヒーを口に運んだ。