第14章 初デート
「貴様は.....阿呆だな。俺の、折角の我慢を台無しにするとは....」
唇を離し、おでこをくっつけたまま、彼は掠れた声で囁いた。
「っ、..........」
彼の気持ちが、痛いほど伝わって来る。
ぎゅっと彼の首に腕を巻きつけると、そのままベッドルームへと連れて行かれ、ベッドの上に横たわる形で降ろされた。
バクバクと、破裂しそうな心臓に手を当てながら彼を見ると、バサッと、彼は上の服を脱いで、私に被さった。
「セナ」
「っ、社長.......」
どうしよう...やっぱり、緊張する.....
「........二人の時は名前で呼べ」
ちゅっと、頬にキスをされた。
「えっ....と、信長..様?」
確か、家康達もそう呼んでたし....
「ふっ、それもいいが、信長でいい。貴様にはそう呼ばれたい」
そう言うと、またちゅっと、顔にキスを落とした。
「やっ、それは........」
出来ないよ。
憧れて憧れて、大好きになって....やっと今日、思いが通じた人なのに........
「遠慮はいらん。早く言わんと、口づけだけで泣く事になるが、いいのか?」
社長の指が、悪戯に私の唇をぷにぷにと押してくる。
「っ、.........イジワル.......」
急にそんな事、ハードルが高すぎるよ....
「ふっ、貴様には、意地悪したくなる」
意地悪く口角を上げながら、彼は私の顎を掬い上げると、
「んっ.......」
大人の色気を漂わせて、私の唇を奪った。
「っ............はっ、あの........」
「信長だ、....」
「のぶ......なが...?...んっ、」
「そうだ、もう一度呼べ」
「のぶなが...............っ」
「もう一度」
「っ、......はぁ、......信長....」
「ふっ、上出来だ」
ちゅっと、仕上げの様に触れるだけのキスを落とすと、見た事がない優しい顔で私に微笑むから、胸が痛い程ドクンッと跳ねた。