第13章 観覧車
蕩けそうな程甘く長いキスに慣れてない私は落ち着かない。
でも、舌先で擽られるようなキスに抵抗する力はどんどん削がれて行き、彼の胸を押していた手は、力なくだらんと下に落ちた。
もう、あたまがぼーっとして来た。
観覧車って、結構色んな事ができるんだなぁなんて、どうでもいい事を考え出した時、漸く彼が唇を離してくれた。
「はぁ.....、はぁ、......何で?」
「貴様が可愛いく強請ったからだ」
「っ............」
確かに..........強請った....と思う。
「じゃなくて、何で急にこんな.........」
優しくするの?
愛してるって..........私の事、本当にそんな風に思ってくれてるの?
信じたいけど、信じられない......
信じてるけど....でも、また突き落とされる様な言葉を言われたら、もう本当に、立ち直れない。
「............セナ」
不安で揺れる私の心を見透かした様に、社長は私の頬に手をあて私を見た。
それは、今までの冷たい目じゃなく、熱のこもった優しい目。
「っ.......あの......」
もう、顔は熱いし、ドキンドキンと胸はうるさいほど騒がしいけど、私はどうしても疑いを拭いきれない。
「本当に、.........社長?」
ありもしない事を疑いたくなって来た。
「どう言う意味だ?」
「ふ、双子の兄弟.....とか?」
こんなイケメンが二人も存在するはずないけど、昨日までの彼しか知らない私には、彼が私を好きだと言うなんて、やっぱり信じられなくて.......