第13章 観覧車
「兄弟はおるが、俺にそっくりな双子の兄弟はおらん。....貴様には、散々辛くあたったからな、今すぐ信じろとは言わん」
そう言うと、彼はちゅっ、とおでこに唇を押しあてた。
「これからたっぷりと時間をかけて教えてやる。俺が、どれほど貴様を愛しているか......」
(わぁ.....っ)
きゅーっと、お腹の辺りが擽ったくなって、熱い顔に更に熱が集まって来た。
「ふっ、こんな事で赤くなっていては、この先身が持たんぞ」
私を腕に閉じ込めたまま、彼は優しく笑った。
「で、でも、...まだ、信じられなくて.........これは....夢?」
もう、彼の気持ちは伝わり始めていたけど...見つめられる彼の目の熱さに溶かされそうで、恥ずかしくて....その視線から逃げる様な言葉を言ってしまった。
「夢でも、現実でも関係ない。どこに貴様がいようと、俺は貴様を離さない」
「っ.............」
決定打の様に、彼の言葉と視線に射抜かれた。
「もう二度と、....俺から逃げられると思うな」
「ん、.........っ」
髪を梳く様に頭の後ろを押さえられ、唇が重なった。
もう、夢じゃないし、幻でもない。
ずっと欲しかった、彼の気持ちそのものの様なキスを、私は受け止めた。