第13章 観覧車
「聞こえん、もう一度言え」
「っ............」
阿呆とは言われなかったけど、もう一度言えと言われて、自分からキスを強請っている事に気がついて恥ずかしくなった。
「早くしろ、過ぎても知らんぞ」
「えっ?だから.........観覧車の一番上で...キスしたカップルは、その...幸せになれるって.......」
恥ずかしいけど、頂上でキスしたい気持ちが優って必死で伝えた。
「......ふっ、やはり貴様は言うことがいちいち可愛い」
彼からは、優しい笑顔と甘い言葉。
昨日までとは別人の様に優しい彼に戸惑っていると、私の顔を引き寄せ、おでこを寄せて来た。
彼の吐息がかかり、ドキドキする。
「愛してる、........セナ、愛してる.......」
愛してるを繰り返し伝えてくれ、優しく彼の唇が重なった。
・・・・・・・・・・
あれから、どれくらいキスし続けてるんだろう....
一番上を示すポールはもう過ぎたに違いないけど...
「んっ、............はぁ........ん」
時折、呼吸をする程度に離しても、すぐに閉じられてしまう。
「ん、........っ、あの.........ん、」
聞きたい事はたくさんあるのに.....
ちゅ、ちゅ、ちゅる、
「はっ、.......んん、.........あの.......ん」
にゅる、ちゅ、ちゅ、
「っ、くるしぃ.......ん、」
せっかく、彼からして頂いたキスだけど、さすがに長過ぎて、彼の胸を少し押した。
けど.......
「まだダメだ、全然足りん」
ちゅーーーー
元の木阿弥..........
「んんんーー!だめっ!」
強く胸を押して離れた。
「ぷはぁ、........はぁ.......あの......」
どうして急にこんな事になったのか聞きたいのに...
だめだ、息を整えないと......
「何だ、貴様....邪魔をするな」
「えっ?......んっ、.......」
ちゅーーーーちゅる、ちゅる、ちゅっ、
「っ、.......ん、ん、....」
何?何が起きてるの?
何でそんなにキスするの?