第1章 :受難シリーズ 理性と感情の狭間で〜リヴァイ編❶〜
『そうだよね…どうしよう?』
「リヴァイの部屋で寝れば?ここなら安心だろうし…リヴァイはまだ仕事するだろうから、ベッドも空いてるでしょ?」
『そうなの?』
そうハンジに言われ、改めてリンを見ると…自分のシャツを華奢な身体でダボっと着た、少女の姿が目に焼き付く。
「ダメだ!何処か別の、女兵士の部屋で…」
「でも全然知らない人と、一緒に寝かせるのは可哀想だよ。また意地悪されるかもしれないしね!」
「チッ!」
あの時の事を思い出し、リヴァイは舌打ちをする。
「あっじゃあリヴァイがダメなら、エルヴィンの部屋に行けば?エルヴィンもまだ起きてるだろうし、部屋も綺麗だよ。」
ハンジはニヤニヤと笑い…何か企んでるかのように、横目でリヴァイを見ている。
『そっか!じゃあエルヴィンの部屋に…』
「待て、俺の部屋でいい。このまま、ここで寝ろ!」
『でも迷惑なんでしょ?』
(そんな格好でエルヴィンの元へ、行かせられるか!)
「別に迷惑だとは言ってねぇ。…俺はまだ仕事が残っているから、お前はベッドを使えばいい。」
『うん、ありがとうリヴァイ!』
(その格好でその笑顔は、勘弁してくれ…)
「じゃあリヴァイ、リンをよろしくね!あっまだ髪濡れてるから、拭いてあげて〜。じゃあ私はエルヴィンへ、報告に行って来るよ!」
ハンジは楽しそうにスキップしながら、リヴァイの部屋を後にした。
「リン、その椅子に座れ。髪を拭いてやる。」
『うん!その後、私お茶淹れようか?』
「あぁ、そうだな。」
リンの部屋に行く前に、お茶を飲もうと思っていた事を思い出し…頷いたのだった。