第9章 リヴァイ誕生日2022 フルver
「雪がそんなに珍しいか?」
『うん。私の郷は結界が張られてるから、中から見るだけで触った事ないの。だから雪がこんなに冷たいなんて、知らなかった。』
「そうか。」
『私ね〜雪合戦、やってみたいな。明日、みんなでやろうよ!』
「雪合戦?」
『そう!ハンジが雪合戦は運動になるから、訓練にも良いって言ってたよ。』
「訓練か…まぁ悪くねぇな。」
『じゃあ、決まり〜楽しみ〜!』
本当に嬉しそうに笑う少女を見て、リヴァイはフッと笑う。
最後のプリンを口に含んだ後…
『…そうだ!』
少女はカップをソーサーに置き、ソファの横にある紙袋からガサゴソと何かを取り出す。
『ホントは夜のパーティーの時、渡そうと思ってたんだけど…早く見て欲しいから、今渡しちゃうね。…はい、これあげる!』
紙袋から箱を2つ取り出し、リヴァイの前に置く。
『私からの誕生日プレゼントだよ。リヴァイ、おめでとう!』
「フッ…ありがとな。」
『うん!開けて、開けて〜。』
1つ目の箱を開ける。
「カフスボタン?」
『そう!12月の誕生石:タンザナイトと、ターコイズを使用してるの。リヴァイだって兵士長なんだから、夜会やお茶会に招待されたりするでしょう?そういう社交場で身に付けてくれたら、嬉しいなって思って。もしかして…使わない?』
「いや…悪くねぇ。それにいい細工だ。」
『でしょう!ほらここ…リヴァイの名前も入ってんだよ。』
「いいな。」
『ふふ…』
嬉しそうに笑う少女を横目で確認し、リヴァイはもう1つの箱を開ける。
「万年筆か。」
『そう。リヴァイが今使ってるの、もう結構古いでしょ?持ち手部分の皮が剥がれてて、書き辛そうだなって思ってたの。』
「よく見てるな。ん?名前も入ってるのか。」
『うん、そうだよ。どうかな?』
「リンおまえ…俺の趣味、よく分かってるようだな。」
『じゃあ?』
「あぁ、両方共気に入った。使わせて貰う。」
『良かった!カフスボタンは今度、付けてる所見せてね。』
「そう言うなら…その時は責任持ってお前がまた、夜会のパートナーに付き合え。」
『分かった!約束…』
リヴァイは大切そうに2つの箱を片手で触り、右手の小指でリンの差し出した小さな小指を優しく握ったのだった。
fin.
【 Happy Birthday Levi !! 】
※おまけ予定あり