第7章 :ハンジの調合薬シリーズ 〜チビたんとりばい❷〜
★やってみたい事リスト★
⑵兵舎の中と庭で、沢山の人と隠れ鬼
「おいリン、隠れ鬼って何だ?」
リヴァイは手を繋いだまま、幼女を見下ろし問う。
『【かくれおに】はね〜かくれて、にげるの!』
(まんまじゃねぇか…)
『みんなでやるの!』
「みんな?」
『ん〜とね…りばいとえるびんとはんじと〜みけとななばともぶりっとと…ぺとら!』
「全員は無理だな。」
『むり…』
幼女はあからさまに残念そうに、シュンと下を向く。
「代わりの奴は集めてやる。それで我慢しろ。」
リヴァイは優しく、幼女の頭を撫でる。
『わかった〜がまんする!』
幼女は満面の笑みで返した。
「あの兵長…今日の訓練は、兵舎の中と庭だと聞いたんスが?」
オルオが不安そうに、リヴァイを見つめる。
「そうだ。」
「兵舎で何の訓練を?」
『みんなで【かくれおに】するの〜!』
「かくれおに?…つーか、このガキ誰っスか?」
(まさか… 兵長の隠し子か?!)
リヴァイの横の椅子に、足をプラプラさせながら当たり前のように座る幼女を指差し…オルオは首を傾げる。
「指差すんじゃねぇ。何処からどう見ても、リンだろうが!」
「「「えっ?!」」」
オルオ・ペトラ含む数人が、驚きで目を見開く。
「リンさん…なんですか?!」
『そうだよ〜!』
幼女は椅子からピョンと飛び降りると、その場でクルリと回る。
白いスカートがふわりと舞い、16歳の少女の面影が見えた。
「リンさん…可愛い!でも何故、子供の姿に?」
「ハンジの薬のせいだ。おい…元凶のハンジが、いねぇじゃねぇか!」
リヴァイは集まった者たちを見回し、眉間に皺を寄せる。
「兵長、申し訳ありません!分隊長は書類が溜まりに溜まり…エルヴィン団長より、部屋から出すなと。」
モブリットが申し訳なさそうに、頭を下げる。
「チッ!くだらねぇ事ばかりに、時間かけてるからだろうが!」
『はんじ、こないの?えるびんも?』
リンは悲しそうな顔で、リヴァイを見上げた。
「参加は出来ねぇが、巻き込めばいい。」
そう言うとリヴァイは、ニヤリと笑った。