第7章 :ハンジの調合薬シリーズ 〜チビたんとりばい❷〜
コンコン
「入れ!」
顔を上げると、リヴァイが抱く幼女と目が合う。
「ッ!まさかそれが…リンなのか?」
エルヴィンは立ち上がると、ゆっくりとリヴァイに近付く。
『りばい、おりる!』
リヴァイは幼女を静かに、床の上に降ろした。
エルヴィンは幼女に近付き、目線を合わせるように膝をつく。
抱き上げようと手を広げた瞬間…
『えるびん、たってたって!』
「えっ?!立つのかい?」
エルヴィンが立ち上がると、幼女はそれを見上げ…感嘆の声を上げる。
『えるびん、たかいね〜!みけとおなじくらい?』
幼女はリヴァイを見つめ、首を傾げる。
「いや、ミケの方が高い。」
『そっかぁ…じゃあえるびん、ひつようないね。』
「あぁ、必要ねぇな。」
リヴァイはニヤリと笑う。
「え…必要ない?」
エルヴィンは幼女の言葉に、ショックを隠せない。
「エルヴィン、ミケを呼べ!必要なのはミケだ。」
「私は必要ない…」
リヴァイはショックで動けないエルヴィンを横目に、扉前に控えていた兵士にミケを呼んで来るよう指示を出した。
暫くするとノックが鳴り、ミケがのそりと入って来る。
「エルヴィン、急用か?」
幼女はまた感嘆の声を上げた。
『みけ、おっきい!かお、みえない!』
幼女はキャッキャと楽しそうに笑うが、ミケの視線に幼女は入らない。
「ん?この匂い…リンか?」
ミケは鼻をヒクヒクさせ、リンを探すが…全く見当たらない。
「ミケ、座れ!」
リヴァイの声でその場にしゃがむと、やっと幼女が視線に入った。
「…いつもより、小さくないか?」
「ハンジの薬のせいで、ガキになってる。」
「なるほど。それで…俺に何の用だ?」
「お前に抱き上げて欲しいそうだ!!」
ミケがエルヴィンに尋ねると、エルヴィンは悔しそうに吐き捨てる。
「そうか…来い、リン。」
幼女はトコトコと近寄り、ミケの腕にしがみ付いた。
『すご〜い!みけ、たか〜い!』
キャッキャとはしゃぐ幼女を、面白くなさそうに見守る男2人。
「おいリン、そろそろ次のやりたい事へ向かうぞ!」
『は〜い!みけ、ありがと!』
スルスルと自力でミケから降りた幼女は、満足したように笑い…リヴァイと手を繋ぎ、去って行ったのだった。