第7章 :ハンジの調合薬シリーズ 〜チビたんとりばい❷〜
〜ヒロイン編❷〜
キャ〜!
廊下から叫び声や人の声が煩く聞こえ、仕事中のリヴァイは顔を顰める。
「廊下で騒ぐんじゃねぇ!何事だ!」
イライラしながら扉を勢い良く開けると…ハンジの足元から、黒髪の幼女が顔を出した。
『あっ、りばい!おしごともう、おわった?』
「あ?」
見覚えのある幼女。
リヴァイはハンジを鬼の形相で睨む。
「クソメガネ…てめぇ、またアイツで実験しやがったな!」
「だって〜エルヴィンも見たいっていってたし…それに今回はリンから飲みたいって、言って来たんだよ?」
「リンから?」
「リンは子供の頃、郷から殆ど出た事がないんだって。子供の時体験したかった事を、色々やってみたいなんて言われたら…断れないだろう?」
「……。」
リヴァイは幼女を見つめる。
「それでエルヴィンの所に連れて行こうと思ったら、他の子達に見つかってしまって…」
「見せるだけなら、お前の実験室でもいいだろうが。」
野次馬を手で払い散らす。
「リンが…此処は狭くて汚いから、嫌だって。」
「流石、分かってるな。」
リヴァイは腕を組み、納得する。
「リンの【やってみたい事リスト】に、ミケも関係してるから…エルヴィンの執務室に呼んで貰おうと思ってさ〜。」
「【やってみたい事リスト】?何だ、それは。」
「薬を飲む前に、リンが書いたリストだよ。ホラ…」
ハンジはノートをリヴァイに渡した。
★やってみたい事リスト★
⑴ミケを下から見上げた後、腕に乗って高さを確かめたい
「昔大きい人に憧れてたらしく…子供目線で高い人の目線を、体験したいんだってさ〜。」
チッ!
自分には無理だと言われてるようで、悔しそうに舌打ちする。
「仕方ねぇ。そのリスト、俺が付き合ってやる!」
リヴァイは幼女を見つめ、手を伸ばす。
「えっ?リヴァイ、仕事大丈夫なの?」
「てめぇと一緒にすんじゃねぇ!コイツに付き合っても、余裕で今日中に終わる。」
そう言って、素直に手を握る幼女を抱き上げる。
『りばい…いっしょに、いてくれるの?』
「あぁ。」
『ありがと、りばい!』
幼女は嬉しそうに、リヴァイの首に抱きつく。
リヴァイは幼女の背中をポンポンと優しく叩き、口元を緩めると…エルヴィンの執務室に向かって行った。