第6章 :記念日はあなたと❷〜リヴァイ誕生日編:2021〜
そこは…
高級感漂う光沢のあるテーブル、落ち着いた茶色で統一されたベルベット仕様の椅子。
確かに…会員だけが利用出来ると言われれば、納得出来る店だ。
「会員費は要らねぇのか?」
『私が払うからいいよ。』
「あ"?なぜお前が払う?」
『今日、リヴァイ誕生日でしょ?1年間はお試し期間として私が払うから、もし気に入ったら2年目からは自分で払ってね!』
「…いいのか?」
『うん!リヴァイはきっと気にいると思うから、継続する事になると思うけどね。』
「そうか…ありがとな。」
少女はニコリと笑った。
『この店の面白い所は、自分で茶葉をブレンド出来るの。プロのアドバイザーもいるから、変な香りや味にならないし…オリジナルの紅茶が楽しめるんだよ。』
「ほぉ…興味深いな。」
『でしょでしょ!レシピを保存したら何度でも飲めるし、交換してお互いのレシピで飲む事も出来るの。楽しそうでしょ!』
「あぁ、悪くねぇ。」
『じゃあ早速、やってみよう!』
リンとリヴァイはブレンドを始めた
アドバイザーの話を、真剣に聞いているリヴァイを横から見つめ…少女はホッと息を吐いた。
(良かった…リヴァイ楽しそう!最近仕事忙しいって言ってたから、少しでも癒されたらいいな。…よし!私もリヴァイの誕生日プレゼント、用意しよう!)
リンはそっと部屋の奥に行き、何やら準備を始める。
そして…頃合いを見計らい、部屋の蝋燭を静かに消した。
リヴァイは少し驚き、部屋の奥に目をやると…ティーカートにケーキと紅茶を乗せて、リンが現れた。
『リヴァイ、お誕生日おめでとう!リヴァイの為にブレンドした紅茶と、手作りの紅茶ケーキでお祝いしよう!』
2人きりのパーティーが始まる。
テーブルには誕生日ケーキと、2人がそれぞれブレンドした紅茶が並ぶ。
『夜ご飯があるから、ケーキは少しだけね。』
「メシ?食って帰らねぇのか?」
『うん。兵舎でみんな、リヴァイの帰りを待ってるからね。』
「…そうか。」
『まぁ、私は食べるけど!』
いつものようにケーキを頬張る少女。
「…俺に作ったケーキじゃねぇのかよ?」
文句を言いつつ…お互い食べさせ合いながら、楽しい時間を過ごしたのだった。