第2章 :思い出を一緒に〜promise〜
翌日。
少女の元へ向かう準備をしてると、リヴァイに呼び止められた。
「ファーラン!」
振り向くと…金色の放物線を描き、手の中に何か小さい物が落ちて来る。
受け止めて掌を見ると、ずっと探していた金色の鈴だった。
「えっ?!もう見つかったのか?どこにあったんだ?」
「路地裏に置いてある、ダンボールの中だ。」
リヴァイは朝食を準備しながら、淡々と答える。
「ダンボールの中?!見つからないわけだよ。でもリヴァイはそんなの、よく見つけたな?」
「音が聞こえたからな。」
「音?」
「あぁ、その鈴の音だ。」
(音が聞こえるなんて、言ってたか?)
リヴァイはテーブルに朝食を並べ、席に座るように促す。
「早くメシ食って、依頼主に渡しに行け。それで終わりだ。」
「あぁ、ありがとな!」
ファーランは朝食が用意されたテーブルに着き…それを見たリヴァイは、まだ夢の中にいるイザベルを起こしに行ったのだった。
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「待たせたな、ほらコレだろ?」
ファーランは少女の掌に、赤いリボンが付いた金色の鈴を乗せる。
鈴を見た少女の顔が、嬉しそうに変わっていき…口元が緩む。
『ありがとう、ファーラン!このリボンは?』
「それ付けてれば、もう無くさないだろ?」
『うん!!それで…報酬って、いくら払えばいいのかな?わたしそういう事、よく分からなくて…』
「ん?あ〜いや…報酬は要らない。」
『え?でも…』
「実はこれ…見つけたの、俺じゃないんだ。俺の信頼出来る仲間で、同居人なんだけど…昨日探してる事言ったら、すぐ見つけて来てくれたんだよ。」
『すごいね、本当に探し物得意なんだね!』
「まぁそれもそうなんだけど…確か何か音が聞こえたって、言ってたな。」
『音?その人って…東洋人?』
「いや、違うけど…何で?」
『……この鈴は特殊な物で、東洋人にしか音は聞こえないの。』
「へぇ〜。」
(流石に俺も生い立ちまで知らないけど…もしかしてリヴァイ、東洋人の血が入ってたりするのか?)