第2章 :思い出を一緒に〜promise〜
「って偉そうな事言ったけど…全然見つからねぇなぁ、鈴。」
探し物は【金色の鈴】
仄暗い地下街では目立つ色の為、すぐに見つかると思った。
しかし見つからないどころか、仲間に聞いても情報さえ入って来ない。
「参ったな…いい加減、あいつ帰してやりたいんだけど。」
ビルの屋上に降り立ち、ファーランは溜め息をつく。
ふと人の気配を感じ振り向くと、同居人が2人立っていた。
「おいファーラン!おまえここ数日、1人でコソコソ何してんだよ!」
「別にコソコソなんてしてねぇよ。個人的な依頼だったから、1人でやろうと思っただけだ。」
同居人の1人であるイザベルが、訝しげにファーランを見上げる。
「個人的な依頼〜?もしかして…女か〜?」
「まぁ…な。(子供だけど)」
「お前が手こずるくらい、厄介な依頼なのか?」
家主であるもう1人の同居人:リヴァイは、何かを探るようにファーランの瞳をじっと見つめる。
「いや…依頼自体難しくはないんだけど、その探し物が中々見つからなくてね。」
「探し物?」
「女の探し物なら、指輪とか首飾りとかじゃねぇ?」
リヴァイの疑問に、イザベルが笑いながら答える。
「鈴だ、金色の鈴。それが見つかれば俺の仕事も終わる。もし見つけたら、教えてくれ。」
「いいぜ!そのかわりオレと兄貴が見つけたら、報酬も山分けだからな!」
「あ〜ハイハイ。」
ファーランは適当に手を振る。
「もしかして…リヴァイも探してくれるのか?」
「お前がその女の依頼に掛かりっきりだと、他の仕事が回せねぇからな。」
「サンキュ!助かる。」
顔を背けたリヴァイに、ファーランはニカッと笑った。